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非磁性体アルミ合金による砂型鋳物製シャーシーにより、共振を抑止。

デンオンの放送局用プレーヤーDN−308Fや放送局用オープンリールデッキDN−3802などには砂型鋳物シャーシーを採用していました。民生機器は板金製シャーシがほとんどですが、長期間に渡る性能維持が求められる放送局用機器は、放送局内で機器を移動する際に振動や衝撃が加わるとシャーシーが歪んでしまいテープ走行系に歪みが生じて性能が低下してしまいます。テープが蛇行したり、ヘッドタッチに狂いが生じてしまいます。

砂型鋳物重力鋳造は成型後の内部ストレスが少なく、振動減衰が速く、なおかつシンプルな共振モードを有しています。また、成型形状の自由度が大きく型代も安いという理由があったためにDP−S1のシャーシーに採用しましたが、DCD−S1にも砂型鋳物を採用することにしました。

50万円という超お買い得価格に抑えることができた理由は、放送局用機器の砂型鋳物シャーシーを製造していたからこその背景があったのです。

非磁性体砂型鋳物シャーシー


アルミニウム・焼結合金の複合材を採用したインシュレーター。

床と接するインシュレーター部には、焼結合金とアルミウムの異種金属の複合材を採用することで振動を熱に変換し・・・と紹介されていますが、実は、変換効率は低いので、振動があってもインシュレーターが熱くなることはありません。振動抑止効果の殆どは、焼結合金の比重が大きいためといえます。

しかしながら、この焼結合金製インシュレーターは数万個も製造されているので非常にリーズナブルなコストで入手可能です。多くのアクセサリーメーカーから発売されている数千円もするパーツと比較すると、重量やその仕上げの良さは群を抜いています。


焼結合金インシュレーター


トップローディング機構によってCDソフトをチャッキングする際の完璧さを狙いました。

一般にフロントローディングメカニズムの弊害はトレイ部が振動することと言われていますが、それよりももっと大きな問題はCDソフトをチャッキングする際にスピンドルの中心からオフセットしてしまうという問題です。この原因はクランパーが斜めにくわえこむためにCDソフトをチャッキングする際に斜めになって仕舞う訳なのです。
DCD−S1は前年に発売されたDP−S1のシリーズとして、アナログプレーヤーを彷彿させるトップローディング機構を採用しました。トッププローディング機構は人間の手でCDソフトを載せるために、確実なチャッキングを期待できます。オフセンターがあると、トラッキングサーボの挙動が大きくなる要因になります。

 

ドアには外光を遮るアルミ板を採用しました。
なお、ドアには外来光をシャットアウトするためアルミ押出材を使用、と紹介していますが、これは当時発売されていたアクリル製のドアを採用したCDプレーヤの写真を撮影する際にストロボを焚くとCDのトラッキングがおかしくなり大きなノイズを出すことに気づいたことが発端でした。その後、CDソフトの回転を目視できるアクリル製ドアにカバーを採用した数社のCDプレーヤーでも同じような問題が生じましたが、外光を遮断した方が音が良くなる、という報告も出始めました。アクリルは傷が付きやすくガラス製トップカバーは成型や切削加工コストが掛かりますので、音が良い金属製トップカバー採用は直ぐに決まりました。


外光遮断アルミドア


左右対称レイアウト


全身に無共振思想が息づく3重補造フローティング。

砂型鋳物製ピックアップベースは、オイルダンバーとスプリングによる2重構造で揺れ戻しを吸収します。
さらに、このピックアップメカを支えるメカプレートもシャーシからフローティングされ、3重にフローティングした防振構造を開発。
音楽信号の純度を高め、演奏者を眼前に感じさせる音のディテールをさらに磨き上げています。


振動の追放を徹底して究めるウェイトバランス。

トランスとメカニュットをセンターに配置し、基板は電源部とオーディオ部、デジタル部をそれぞれ分離し、理想のレイアウトを実現しています。


特殊エアシールドによって音圧の影響を排除。

ドア開口部に特殊エアシールドを採用、と言っていますが、材質は単なるネオプレンゴムです。これによって、空気の侵入をシャットアウトし、スピーカーなどからの音圧の影響を極限まで抑えます、とも言っていますが、トップカバーには隙間があるので、空空気を遮断する効果はありません。ちなみにDCD−S1生産立ち上がり時、OPENボタンを押しても開かないというクレームが続発しました。特殊エアシールドのネオプレンゴムの油成分が滲み出し、くっついてしまうことが原因でした。このため、それ以後の生産では、トップカバーとシャーシーの間にはビニールを敷いてあります。


ディスク全面をホールドする
大口径スタビライザー


安定した回転をもたらす削り出しスタビライサー。

ディスク全面をホールドすることにより、共振を抑え、読み取り信号のジッターの発生を防止しています。
また、スタビライザーが生み出す大きな慣性により、きわめて安定した回転を獲得、読み取りジッターマージンを向上させています、と言っていますが、当初DP−S1もDCD−S1も設計部が提案したスタビライザーは小径だったのです。CDソフトの中ほどを押さえればCDソフトの振動をダンプさせることができるのですが、営業や商品企画側からの要望で大径になりました。

ちなみにDP−S1の大径スタビライザーには、右写真のように3個の丸穴が開いていますが、これはCDを取り出す時の張り付き防止対策です。


正確無比な読み取り精度へ。リニアモーター駆動。

ディスクに記録されたミクロン単位のビット・ランドを読み取る光ピックアップ。本機では、ギアを用いず無接触で浮動するリニアモーター駆動を採用し、ピックアップの微小送り分解能を向上さ、高品位な読み取り精度を獲得しました。

この説明は、当時の対抗モデルの殆どが機械式ピックアップ機構になったことを指摘したものでした。ピックアップの中にRFアンプを内蔵する部品がリリースされていましたが、それらはギアドライブを前提としたものでした。ピックアップを磁気浮上させ無接触で移動するピックアップを採用したCDプレーヤーは低価格化に限界があるので、リニアモーター駆動を前提としたピックアップは供給されませんでした。開発進行進捗会議の席上、この課題が論じられ、RFアンプ内蔵のLDプレーヤー用ピックアップを採用することを提案しましたが、レーザー波長が異なることと、開発経費、そして安定性などの面が指摘された結果、それまでのモデルでも採用していた「SONY製KSS−151A」を用いることになりました。しかしメカニズムのトラバースを始めサーボ回路などに関しては新設計となりました。当時供給されていたRFアンプ内蔵ピックアップを採用すると、それは微小送り分解能が悪いギアドライブメカの採用を意味していました。デンオンはオリジナルCDメカニズムを開発する能力がありましたので、従来から供給されていたリニアモーター用ピックアップを採用したわけです。発売後10年以上を経た今日、KSS151Aを採用したことを振り返ってみると、それは正解だったと思います。ごく少数を生産した特別なピックアップを採用したとすると、補修用部品調達が不可能になっている可能性が大きいからです。


ルビー使用の軸座


デジタル入出力端子



Z201バージョンC基板


モーター、軸座、シャフトのすべてに読み取りエラーの徹底低減設計。

大重量スタビラーザーを支える軸座には、高い硬度をもち、かつ摩擦係数の少ないルビーの板を採用しました。設計部が提出したブリーフィング資料には無かったのですが、DP−S1プロトタイプ機の分解写真を撮影しているときに見つけたので、以後、得意げに紹介しています。商品持ち回りの際に、「ダイヤモンドバージョンを発売して欲しい」という話があったり、その後、他社でも「サファイヤ軸受け採用」と言い出したことが良い思い出です。
ターンテーブルを支えて高速回転するスピンドルシャフトは高剛性の直径6mmの極太型、というのは当時の対抗モデルが4φだったことをからかったものです。何回か試聴会で同席しましたが、その時に出た話でもあります。(その後、そのモデルは6φシャフトになりました)


発展性を秘めたデジタル入出力端子。

デジタル入力端子は、TOS-Link、COAXIALの2系統。
デジタル出力端子は、TOS-Link、BNC、平衡形ライン(AES/EBUバランス伝送)XLR3系統を装備していますが反省しています。

当初、COAXIALデジタル出力端子はRCAだったのですが、「それはあまりにも平凡だ!BNCにしよう」と提案しましたが、イケオンバージョンアップ依頼品を見ると、殆どのお客さんがBNC端子は使っていませんでした。BNC→RCA変換コネクターや市販のデジタルケーブルのRCA端子をBNCに取り替えるのもやっていないようでした。


発展性を秘めたオーディオD/A変換基板。

現在、このD/A変換基板を用いたD/Aコンバーターユニットを開発中です。投資した高価な基板をDACユニットに移し変え、DCD−S1には元のオリジナルDAC基板を載せて転売すれば良いのです。もちろん、DCD−S1を売ってしまうとCDトランスポートが無いので音を出せませんよね?そうです。PCM−S1を導入すれば良いのです。PCM−S1→DAC−S1の組み合わせはセパレート型CDプレーヤーというよりも「セパレート型パソコン(笑)」になります。

試作電源トランスはスーパーリングトロイダルトランスはD/Aコンバーターユニット用シャーシーでなければ搭載できない大きさです。D/Aコンバーターの電源用トランスは0.5Aもあれば十分だ、等とは誰が決めたのでしょうか?



オリジナルDCD-S1の主な仕様

オーディオ性能
・D/A変換部方式名 / PCM−1702リアル20bit ラムダ スーパーリニアコンバーター

・デジタルフィルター / NPC社製SM−5843A 8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター
・アナログフィルター / 5%誤差の理研RMG抵抗と10%誤差銅箔スチコンによるGIC3次アナログフィルター
・周波数特性 / 2Hz〜20kHz(理研電具社製RMG抵抗器とエルナー社製シルミック電解コンデンサによるハイパスフィルターによるDCカット)
・S/N比 / 120dB
・ダイナミックレンジ / 100dB以上
・全高調波歪み率 / 0.0015%(1kHz)
・チャンネルセパレーション / 110dB(1kHz)
・チャンネル間位相差 / 3°以内
・アナログ出力電圧 / 10kΩ負荷時2.5±0.3V(UNBALANCE/BALANCE=3番HOT)

イケオンオリジナルDCD-S1z201versionCの仕様


オーディオ性能
・D/A変換部方式名 / PCM−1704リアル24bit スーパーリニアコンバーター

・デジタルフィルター / どこにでもある普通の8倍オーバーサンプリングデジタルフィルター
・アナログLPFフィルター /0..1%誤差&TCR=0.2ppmのVishayZ201金属箔抵抗器と1%誤差双信電機SEマイカコンデンサーによるGIC3次アナログフィルター
・周波数特性 / 0Hz〜20kHz(特許無帰還DCキャンセリング回路を装備。)
・S/N比 / 123dB
・ダイナミックレンジ / 100dB以上
・全高調波歪み率 / 0.0012%(1kHz)
・チャンネルセパレーション / 120dB(1kHz)
・チャンネル間位相差 / 1°以内
・アナログ出力電圧 / 10kΩ負荷時4V(UNBALANCE/BALANCE=2番HOT)

 

その他
・電源 / AC100V 50/60Hz
・消費電力 / 27W
・外形寸法 / W434×H164.5×D395mm
・重量 / 20kg




 


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