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Memories of DENON DVD−Audio Authoring Software

1993年、日本コロムビア株式会社はマルチメディア関連商品開発のため、メディアビジネス開発推進センターを新設しました。

当時の日本コロムビアは、日立製作所とのアライアンスを強化して、さまざまなマルチメディア製品を開発していました。

CDの4倍の記録容量を有する新規格光ディスクでDVD−Videoが決まり、各社がデモ用プレーヤー機・光ディスクを試作していました。

メディアビジネス開発推進センターではMASPAR製超並列コンピューターを用いたMPEG2画像圧縮装置を開発していました。

DVD−Video規格が制定したあと、このディスクに次世代高音質オーディオを収録する新規格オーディオ規格が話し合われていましたが、

結局、規格統一は実現できずSACDとDVD−Audioが商品化されました。

当時の日本コロムビアは、日立製作所とのアライアンスを強化していましたのでDVD−Audio陣営に加わりました。

メディアビジネス開発推進センターでは世界初のWindowsNTをベースDVD−AUDIOオーサリングソフトを開発しました。

 

今になっては懐かしいDENON製ISAインターフェースポート採用8chサウンドカード

8チャンネルのAES/EBU WORDSYNC IN/OUT

2.8224MHz1bit2channel

192kHz24bit2channel

96kHz24bit4channel

44.1(48)kHz24bit8channel

 

DCD−S1互換SuperDAC基板

本基板は1994年ころ在籍していたマルチメディア部門時代に趣味で製作したD/A変換基板です。

アナログ信号を究極の精度で再生することを狙い、究極の回路と究極のデバイスを用いてみました。

このD/A基板にも米国VISHAY社製金属箔抵抗器やアナログデバイセズ社製ICを採用しています。

 

基板回路:誘電率・誘電正接に優れたテフロン基板材を特注で練っていただき、2オンス(70μm)厚銅箔に無電解金メッキ処理しました。

高スルーレート・高速セトリングタイムのデバイスと帰還定数の最適化によりI/V変換回路での混変調ひずみ発生に留意しました。

高速動作をおこなうため、基板パターンの熟慮および低ESRコンデンサー採用による低インピーダンス化に努めました。

D/A変換以後RCA出力ピンに至るまで直流阻止用コンデンサーはないのはもちろん、DCサーボ回路もありません。

しかしながら電源ON直後〜DCオフセットレベルはミリボルトオーダー以下で安定しています。

 

 

スカイブルー色の抵抗器はスペースシャトルにも乗っている公称温度係数=0.2ppmという米国VISHAY社製金属箔抵抗器Z201です。

当初搭載していたのは理研電具製1/2W型RMGカーボン抵抗器でしたが、その後同社製金属皮膜抵抗器1/2W型RXGを搭載しました。

次に米国デール社製CMF金属皮膜抵抗器を採用しましたが、1995年春にI/V帰還抵抗を米国VISHAY社製VSRを搭載してみました。

金属箔抵抗器のあまりにも大きな音質変化向上を体験してしまい、信号回路の抵抗器全てをVSR金属箔抵抗器に載せ換えてしまいました。

抵抗形状変更に伴い基板を見直し、D/A変換ICからI/V変換回路まで最短距離化しつつガードパターンを設けS/Nの限界をめざしました。

その後、友人のオーディオ評論家からVISHAYのS102を推薦され、日本ビシェイからS102Kを購入し基板を製作・評価しておりましたが、

当時の日本ビシェイ社長からZ201を紹介され入手してみました。ここ数年は、このうぐいす色の究極の抵抗器「Z201」を採用しています。

この基板の主たる用途は、当時筆者が担当していたデンオン製DVD-Audioオーサリングソフトで制作したAIFFファイル音源の再生でした。

基板構成をインターフェース・ディジタルフィルタとD/A変換・アナログ出力回路に分離し、後者基板をDCD−S1と互換性を持たせました。

そこでこれをDENON DCD−S1のバージョンアップ基板として商品化してはどうか?とデノン家電部門の商品企画会議で提案しましたが、

一旦は商品化が決まり、当時の商品企画部長が開発協力会社のイケオンに挨拶に行ったのですが、その後音沙汰が無くなってしまいました。

その後、当時の商品企画部員と営業部門の方が市場調査として秋葉原のオーディオ専門店の人に尋ねたところ、基板は10万円が限度で、

なおかつDCD−S1のモデルチェンジ版の発売後でないとバージョンアップ基板の販売は成り立たないだろう、ということで中止になりました。

当時の商品企画部長が開発協力会社に挨拶した時に、正式発売前に有力顧客に声を掛けて10台ほど受注・販売してはどうだろうか?と、

本気にしていた我々と開発会社は途方に暮れてしまいました。 VISHAY社製の金属箔抵抗器だけでも10万円以上コストが掛かるのに、

10万円で販売可能な新オーディオ基板というのは、どのような回路・部品にすれば良いのだろうか?と悩みましたが、結局、価値を理解する

方々だけに開発協力会社が直接販売し、価格も秋葉原のオーディオ専門店のご意見の10万円にこだわる必要はないと結論を出しました。

このような経緯でこのコスト無制限のD/A変換基板は日の目を見ることになり、一般の方々も入手可能になり、今日も進化を続けています。

最新作ではバッファアンプの2W級出力抵抗を、イスラエルのVISHAY工場の方々がZフォイルで試作してくれましたので搭載してみました。

この特注超高精度2W級抵抗を搭載したテフロン基板の音質は、東京池袋のハイエンドオーディオショップ イケオン で試聴・購入可能です。